抜け毛予防と薄毛予防はこんなに違う

2023年10月
  • 脱毛症の診断セルフチェックと専門医

    薄毛

    最近抜け毛が増えた、髪が細くなった気がする、生え際が後退してきたかもしれない。そんな変化に気づいた時、もしかして男性型脱毛症(AGA)ではないかと不安になる方は多いでしょう。早期発見と早期対策が重要とされる男性型脱毛症ですが、どのように診断されるのでしょうか。まずは自宅でできるセルフチェックのポイントと、その限界、そして専門医による診断の重要性について見ていきましょう。セルフチェックとしては、いくつかの兆候に注目することができます。まず、抜け毛の質です。枕や排水溝に落ちている抜け毛の中に、細くて短い、いわゆる軟毛が増えていないか確認してみましょう。これは成長期が短縮しているサインかもしれません。次に、薄毛のパターンです。男性型脱毛症は、多くの場合、前頭部の生え際がM字型に後退していくか、頭頂部(つむじ周辺)がO字型に薄くなる、あるいはその両方が同時に進行するという特徴的なパターンを示します。側頭部や後頭部の髪は比較的影響を受けにくいのも特徴です。鏡を使って、生え際や頭頂部の状態を定期的にチェックしてみましょう。また、家族歴も重要な判断材料です。父方、母方問わず、近親者に薄毛の方がいる場合、遺伝的に男性型脱毛症を発症しやすい可能性があります。これらのセルフチェックは、あくまで目安であり、自分で男性型脱毛症と断定することはできません。他の脱毛症(円形脱毛症や脂漏性脱毛症など)の可能性もありますし、一時的な体調不良やストレスが原因であることも考えられます。そこで重要になるのが、専門医(皮膚科医やAGA専門クリニックの医師)による診断です。医療機関では、まず詳細な問診が行われます。いつから薄毛が気になり始めたか、進行の程度、生活習慣、既往歴、家族歴などを詳しく尋ねられます。次に、視診によって薄毛のパターンや頭皮の状態を確認します。さらに、ダーモスコピー(特殊な拡大鏡)やマイクロスコープを用いて、毛髪の太さや密度、毛穴の状態などを詳細に観察し、男性型脱毛症に特徴的な所見(軟毛化の進行、毛穴数の減少など)がないかを確認します。必要に応じて、血液検査を行い、他の疾患が隠れていないかを調べることもあります。診察結果を総合的に判断して、医師は男性型脱毛症かどうか、その進行度を診断します。正確な診断を受けることが、適切な治療と効果的な対策を始めるための確実な第一歩なのです。