ドラッグストアの棚には、一般的なシャンプーと並んで、様々な種類の育毛シャンプーが陳列されています。価格帯もやや高めに設定されていることが多いですが、具体的に普通のシャンプーと育毛シャンプーでは何が違うのでしょうか。その違いを理解することは、製品選びや期待値の設定において重要です。最も大きな違いは、その「目的」と「配合されている成分」にあります。一般的なシャンプーの主な目的は、髪と頭皮の汚れを落とし、清潔にすること、そして髪の仕上がり(指通り、ツヤ、まとまりなど)を良くすることです。そのため、洗浄成分に加え、シリコンなどのコーティング剤や香料、コンディショニング成分などが配合されていることが多いです。一方、育毛シャンプーの主な目的は、髪が育ちやすい健やかな「頭皮環境」を整えることです。もちろん洗浄も重要な役割ですが、それに加えて、頭皮の血行促進、保湿、抗炎症、フケ・かゆみの防止などに有効とされる成分が配合されている点が特徴です。例えば、グリチルリチン酸ジカリウム(抗炎症)、センブリエキス(血行促進)、ピロクトンオラミン(抗菌)、各種アミノ酸や植物エキス(保湿・栄養補給)などが挙げられます。これらの成分は、医薬部外品として効果効能が認められているものもあります。洗浄成分にも違いが見られます。一般的なシャンプーでは、泡立ちや洗浄力を重視して高級アルコール系の洗浄成分が使われることが多いですが、育毛シャンプーでは、頭皮への刺激を考慮し、アミノ酸系やベタイン系といったマイルドな洗浄成分を採用している製品が多く見られます。ただし、脂性肌向けなど、製品によっては洗浄力の高いものもあります。また、育毛シャンプーは、シリコンを使用していない「ノンシリコン処方」のものが多い傾向にあります。これは、シリコンが毛穴を塞ぐ可能性を懸念する声に応えるためですが、シリコン自体が悪とは一概には言えません。仕上がりの好みで選ぶと良いでしょう。価格帯については、有効成分を配合していることや、開発にコストがかかることなどから、育毛シャンプーの方が一般的に高価になる傾向があります。まとめると、普通のシャンプーは主に「髪の洗浄と仕上がり」を重視するのに対し、育毛シャンプーは「頭皮環境の改善と維持」に重点を置いていると言えます。自分の目的や頭皮の状態に合わせて、適切なタイプを選ぶことが大切です。
— 抜け毛 —
育毛シャンプーと普通のシャンプー比較
2019年11月24日