30代後半に差し掛かった頃からだろうか、洗面台の排水溝に溜まる抜け毛の量が少しずつ増えていることに気づき始めた。最初は気のせいかと思っていたが、ある日、合わせ鏡で自分の頭頂部を見て愕然とした。明らかに以前より地肌が透けて見えている。これはまずい、何とかしなければ。そう思い立ち、まず手を出したのが「育毛シャンプー」だった。ドラッグストアに行くと、驚くほどたくさんの種類が並んでいる。どれを選べばいいのかさっぱり分からず、とりあえず「一番売れている」と書かれたポップが付いていた製品を買ってみた。期待を込めて使い始めたが、数週間経っても特に変化は感じられない。それどころか、なんだか頭皮が乾燥して痒いような気さえする。どうやら洗浄力が強すぎたようだ。次に試したのは、インターネットの口コミで評判の良かった、少し高価なアミノ酸系のシャンプー。これは使用感が良く、頭皮の痒みも治まった。しかし、肝心の抜け毛や薄毛の進行が止まる気配はない。やはりシャンプーだけではダメなのか、と半ば諦めかけていた時、ふと「自分の頭皮タイプに合っているか?」という基本的な疑問に立ち返った。私はどちらかというと乾燥肌気味なのに、最初のシャンプーは脂性肌向けだったのかもしれない。二番目のシャンプーは悪くなかったが、保湿力がもう少し欲しかった。そこで、今度は成分表示をよく見て、保湿成分(セラミドやヒアルロン酸など)がしっかり配合されていて、かつ洗浄力がマイルドなアミノ酸系の製品を改めて探してみた。いくつか候補を絞り、試供品を取り寄せて実際に使ってみた。その中で、泡立ちは控えめだが洗い上がりがしっとりし、頭皮のつっぱり感もない製品が見つかった。それを使い続けて数ヶ月。劇的に髪が増えたわけではない。しかし、以前のような頭皮の乾燥やかゆみはなくなり、フケもほとんど出なくなった。抜け毛の量も、ピーク時に比べれば少し落ち着いたように感じる。そして何より、頭皮の状態が良いという実感がある。育毛シャンプー探しは、まさに試行錯誤の連続だった。大切なのは、流行りや評判に流されず、自分の頭皮としっかり向き合い、状態に合ったものを選ぶこと。そして、過度な期待はせず、あくまで頭皮ケアの基本として、正しい使い方で継続することだと痛感している。この経験が、同じように悩む方の参考になれば嬉しい。
— AGA —
私の育毛シャンプー探しの道のり
2021年10月12日