増毛スプレーは、気になる薄毛を手軽に、そして即座にカバーできる非常に便利なアイテムです。しかし、忘れてはならない重要なことがあります。それは、増毛スプレーはあくまで「対症療法」であり、「根本的な薄毛治療」ではない、ということです。増毛スプレーは、髪の毛や頭皮に色をつけたり、微細なパウダーを付着させたりすることで、見た目上、髪が増えたように見せかけるものです。スプレーを使用したその日、あるいは数日間は薄毛を目立たなくさせることができますが、シャンプーで洗い流せば元の状態に戻ってしまいます。髪の毛そのものを生やしたり、太く育てたり、抜け毛の原因にアプローチしたりする効果は一切ありません。もし、あなたの薄毛の原因がAGA(男性型脱毛症)やFAGA(女性男性型脱毛症)のような進行性の脱毛症である場合、増毛スプレーで見た目をカバーしている間にも、薄毛は水面下で進行し続けている可能性があるのです。根本的に薄毛の進行を食い止めたい、あるいは髪を生やしたいと考えるのであれば、増毛スプレーだけに頼るのではなく、医学的根拠に基づいた「薄毛治療」に取り組む必要があります。AGAであれば、フィナステリドやデュタステリドの内服薬、ミノキシジルの外用薬などが標準的な治療法です。女性の薄毛であれば、ミノキシジル外用薬などが選択肢となります。これらの治療は、医師の診断のもとで行われる医療行為です。増毛スプレーと薄毛治療は、決して対立するものではありません。むしろ、「併用」することも可能です。例えば、AGA治療を開始し、その効果が現れるまでの間、見た目をカバーするために増毛スプレーを使用するという使い方は有効でしょう。ただし、併用する際には注意点もあります。治療薬(特にミノキシジル外用薬など)を塗布した後に増毛スプレーを使用する場合、薬剤の吸収を妨げないように、十分に時間を空ける、あるいは医師に相談するなど、適切な使い方を心がける必要があります。増毛スプレーは、一時的な悩みを解決してくれる心強い味方ですが、それが根本的な解決策ではないことを常に意識し、必要であれば専門医に相談して、長期的な視点での薄毛対策を検討することが重要です。
— AGA —
根本解決ではない?増毛スプレーと薄毛治療
2020年1月25日