近年、美容や健康に関心のある方々の間で「プラセンタ」という成分が大きな注目を集めています。化粧品やサプリメント、ドリンク、さらには医療機関での注射など、様々な形で利用されていますが、そもそもプラセンタとは一体何なのでしょうか。プラセンタ（Placenta）とは、哺乳類の「胎盤」のことです。胎盤は、母親の体内で胎児を育むために一時的に作られる臓器であり、胎児の成長に必要な栄養素や酸素を供給し、老廃物を排出する、まさに生命の源とも言える重要な役割を担っています。この胎盤には、アミノ酸、タンパク質、ビタミン、ミネラル、酵素、核酸といった豊富な栄養素に加え、「成長因子（グロースファクター）」と呼ばれる細胞の増殖や分化を促す様々な生理活性物質が含まれていることが分かっています。プラセンタ製品は、主に豚や馬、羊、あるいはヒトなどの胎盤から、これらの有効成分を抽出・加工して作られています。美容分野では、肌のターンオーバーを促進したり、コラーゲンの生成を助けたり、保湿効果や美白効果などが期待され、エイジングケアや美肌目的で広く利用されています。また、健康面では、滋養強壮、疲労回復、更年期障害の症状緩和、肝機能改善などの効果が期待され、サプリメントや医薬品（肝機能改善薬などとして）に利用されています。このように、プラセンタはその豊富な栄養素と成長因子などにより、体の中から美と健康をサポートする可能性を秘めた成分として、多方面から注目を集めているのです。そして近年、その働きが髪の毛の健康、つまり「育毛」にも良い影響を与えるのではないか、という期待も寄せられています。