プラセンタは、豊富な栄養素や成長因子を含むことから様々な効果が期待されていますが、その利用にあたっては、安全性や副作用のリスクについても理解しておくことが重要です。特に、由来や製品形態によって注意すべき点が異なります。まず、一般的にサプリメントや化粧品として利用される「豚プラセンタ」「馬プラセンタ」「羊プラセンタ」などについてです。これらは食品や化粧品として扱われるため、比較的安全性は高いと考えられていますが、アレルギー反応のリスクはゼロではありません。プラセンタの原料となる動物に対してアレルギーがある場合や、製品に含まれる他の成分に対してアレルギーがある場合は、かゆみ、発疹、消化器症状(サプリの場合)などが現れる可能性があります。初めて使用する場合は、少量から試したり、パッチテストを行ったりすると安心です。また、製品の品質管理も重要です。原料となる胎盤の衛生管理や、製造工程での安全性確保がしっかりとなされているか、信頼できるメーカーの製品を選ぶことが大切です。次に、医療機関で用いられる「ヒトプラセンタ注射」についてです。これは、日本国内の正常分娩で得られたヒト胎盤を原料とし、厳格な感染症スクリーニングと滅菌処理を経て製造された医薬品(または生物由来製品)です。そのため、基本的な安全性は確保されています。しかし、理論上は変異型クロイツフェルト・ヤコブ病(vCJD)などの感染リスクを完全には否定できないとされており、一度でもヒトプラセンタ注射を受けた人は、献血ができなくなるという制限があります。副作用としては、注射部位の痛み、腫れ、赤み、硬結などが報告されています。また、まれにアレルギー反応(発疹、蕁麻疹など)や、頭痛、肝機能障害などが起こる可能性も指摘されています。ホルモン様作用を持つ可能性も示唆されており、乳がんなどのホルモン依存性疾患の既往がある方などは、使用に際して医師との慎重な相談が必要です。プラセンタ製品を利用する際には、その種類に関わらず、メリットだけでなく、潜在的なリスクや注意点を理解しておくことが大切です。特に持病がある方、他の薬を服用中の方、妊娠中・授乳中の方などは、使用前に必ず医師または薬剤師に相談するようにしましょう。
— AGA —
プラセンタ利用の安全性と副作用のリスク
2022年3月10日