男性型脱毛症(AGA)のセルフチェックは、自分の髪の状態を知る良いきっかけになりますが、それだけで正確な判断を下すことは困難です。なぜなら、薄毛の原因はAGA以外にも様々あり、自己判断では見誤る可能性があるからです。また、AGAの進行度は個人差が大きく、初期段階では判断が難しいことも少なくありません。だからこそ、AGAの疑いがある場合には、皮膚科やAGA専門クリニックを受診し、専門医による客観的で正確な診断を受けることが最も確実な方法と言えます。専門医は、まず丁寧な問診を行います。いつから薄毛が気になり始めたか、進行の様子、抜け毛の状態、家族歴、生活習慣、既往歴などを詳しく聞き取り、診断の手がかりを探ります。次に視診で、薄毛の部位やパターン、頭皮の色や炎症の有無などを直接確認します。ここまではセルフチェックと似ていますが、専門医は豊富な経験に基づいて、微妙な変化も見逃しません。そして、診断の精度を飛躍的に高めるのが、ダーモスコピーやマイクロスコープといった専用の機器を用いた診察です。これらの機器を使うことで、毛髪一本一本の太さ、毛穴の状態、頭皮の血管などを拡大して詳細に観察することができます。AGAの診断で特に重要視されるのが「軟毛化」の程度です。AGAが進行すると、太い硬毛が減り、細く短い軟毛が増えます。スコープで観察すれば、この毛髪の太さのばらつき具合や、一つの毛穴から生えている毛の本数の減少などを客観的に評価でき、AGAの進行度を判断する有力な根拠となります。また、他の脱毛症、例えば円形脱毛症や脂漏性脱毛症などとの鑑別も、これらの詳細な観察によって可能になります。必要に応じて血液検査などを行い、他の病気が隠れていないかを確認することもあります。このように、専門医は多角的な視点と客観的なデータに基づいて診断を行います。自己判断による不安や誤った対策による時間のロスを防ぐためにも、AGAが疑われる場合は、迷わず専門医に相談しましょう。それが、適切な治療への最短距離であり、将来の髪を守るための最善の選択となるはずです。
— AGA —
AGA判断は専門医の診察が確実
2025年4月13日