抜け毛予防と薄毛予防はこんなに違う

育毛剤や発毛剤を使い始めた人が、最も早く知りたくなること。それは、「いつになったら効果が出るのか」ということでしょう。高価な製品も多いだけに、すぐにでも変化を実感したい気持ちはよく分かります。しかし、ヘアケア製品の効果を正しく評価するためには、髪の毛の成長サイクルである「ヘアサイクル」を理解し、焦らず長期間継続することが不可欠です。髪の毛は、一本一本が独立した周期で成長と脱毛を繰り返しています。このヘアサイクルは、主に「成長期（二年から六年）」「退行期（約二週間）」「休止期（約三ヶ月）」の三つの期間から成り立っています。健康な状態であれば、頭髪の約九十パーセントが成長期にあり、力強く成長を続けています。育毛剤や発毛剤が作用するのは、このヘアサイクルのうち、主に「成長期」と「休止期」です。発毛剤（ミノキシジル）は、休止期にある毛根を刺激して、新たな成長期へと移行させ、新しい髪を生み出します。また、育毛剤は、頭皮環境を整えることで、既存の髪の成長期を健全に保ち、抜け毛を予防します。このヘアサイクルの周期を考えると、製品を使い始めてすぐに髪がフサフサになることはあり得ません。休止期にあった毛根が新たに成長を始めるまでには、少なくとも三ヶ月から四ヶ月はかかります。そのため、育毛剤、発毛剤ともに、効果を実感できるまでの期間の目安は、「最低でも四ヶ月から六ヶ月」とされています。使い始めて一ヶ月や二ヶ月で「効果がない」と諦めてしまうのは、あまりにも早計です。むしろ、発毛剤を使い始めて一ヶ月から二ヶ月頃には、ヘアサイクルが正常化する過程で、一時的に抜け毛が増える「初期脱毛」という現象が起こることさえあります。これは、古い髪が新しい強い髪に押し出されるために起こる好転反応であり、効果が現れ始めている証拠とも言えます。大切なのは、毎日の使用を習慣化し、一喜一憂せずに、少なくとも半年間は淡々と使い続けること。ヘアケアは、短期決戦ではなく、長期的な視点での継続こそが、成功への唯一の道なのです。