抜け毛予防と薄毛予防はこんなに違う

2026年2月
  • プロが教える薄くなった生え際を魅力に変えるカット術

    AGA

    「お客様、M字の部分を隠したいんですね? では前髪を長めに残しておきましょう」。もし美容師にこう言われたら、その店は変えた方がいいかもしれません。薄毛の悩みを抱える男性に対して、単に「隠す」という提案しかできないのは、プロとしての引き出しが少ない証拠です。私たちプロのスタイリストがM字ハゲのお客様を担当する際、最も重視するのは「隠す」ことではなく、「視線を逸らす」こと、そして「全体のバランスでカバーする」ことです。M字部分をコンプレックスとして捉えるのではなく、デザインを構成する一つの要素として組み込んでしまう。それが、生え際を魅力に変えるカット術の極意です。まず理解していただきたいのが、ヘアスタイルのシルエットに関する理論です。M字部分が気になる人の多くは、トップのボリュームがなくなり、ハチ(頭の側面で一番出っ張っている部分)が張って見える傾向にあります。この状態でサイドの髪を伸ばすと、横に広がった四角いシルエットになり、頭頂部のペタンコ感とM字の食い込みが強調されてしまいます。これを解消するための鉄則が、「サイドを削り、トップを盛る」ことです。具体的には、サイドと襟足をバリカンやハサミで短く刈り上げるツーブロックやフェードカットを推奨します。肌が見えるくらい短くすることで、サイドの色彩を薄くし、相対的にトップの髪の密度を濃く見せる効果があります。これにより、視線は薄いサイドではなく、ボリュームのあるトップへと誘導されるのです。おすすめのスタイルの一つが「ソフトモヒカン」です。古いと思われるかもしれませんが、現代風にアレンジされたソフトモヒカンは最強のM字カバー術です。中央の髪を三角形に尖らせることで、M字の凹んだ部分との対比が生まれ、視覚的な錯覚で生え際が目立たなくなります。また、最近流行りの「クロップスタイル」も非常に有効です。これは前髪を極端に短く切り揃え、額の上の方にラインを作るスタイルです。前髪を厚く短くすることで、生え際の後退をカバーしつつ、ファッショナブルで個性的な雰囲気を演出できます。海外のラッパーやアーティストに人気の髪型ですが、実は薄毛対策としても非常に理にかなった構造をしているのです。美容室でのオーダーの仕方も重要です。単に「M字をごまかしたい」と言うだけでなく、「短くしてもいいので、清潔感を出したい」「トップにボリュームが出るようにレイヤー(段)を入れてほしい」と伝えてみてください。また、M字部分の産毛のような弱い髪は、伸ばしても割れてしまうだけなので、思い切って短く切り込むことも提案してみてください。プロの美容師であれば、その産毛を活かして影を作ったり、周囲の髪と馴染ませたりする技術を持っています。スタイリングの際のアドバイスとしては、ハードワックスとハードスプレーのダブル使いをおすすめします。まずワックスで根元からしっかりと髪を立ち上げ、束感を作ります。この束感が重要で、髪の毛の隙間から地肌が見えても、それが「薄いから」ではなく「束感のあるスタイリングだから」と認識されるようになります。