-
注入治療(メソセラピー)と植毛の費用。高額治療の実態
AGA治療には、内服薬や外用薬といった基本的な治療法の他に、より積極的で、その分費用も高額になる「注入治療」と「植毛」という選択肢があります。これらは、標準的な治療では効果が不十分な場合や、より早く、確実な結果を求める場合に検討される治療法です。まず「注入治療(AGAメソセラピー、HARG療法など)」は、髪の成長に不可欠な成長因子(グロースファクター)やミノキシジル、ビタミンなどを、注射や特殊な機器(ダーマペン、エレクトロポレーションなど)を用いて、頭皮に直接注入する治療法です。有効成分を直接毛根に届けることができるため、内服薬や外用薬よりも高い効果が期待できるとされています。しかし、費用は非常に高額です。1回あたりの施術料金は、注入する成分やクリニックによって大きく異なり、2万円から10万円以上と幅があります。効果を実感するためには、月に1〜2回のペースで、少なくとも6回以上の継続が推奨されることが多く、トータルで数十万円から100万円以上の費用がかかることも珍しくありません。次に、外科的な治療法である「自毛植毛」。これは、AGAの影響を受けにくい後頭部や側頭部の元気な毛髪を、毛根ごと採取し、薄毛が気になる生え際や頭頂部に移植する手術です。移植した毛髪は、その後も生え変わり続けるため、根本的な解決策となり得ます。費用は、移植する毛根の数(グラフト数)によって決まり、1グラフトあたり800円から1,500円程度が相場です。例えば、生え際の後退を修正するために1000グラフトを移植する場合、80万円から150万円程度の費用がかかります。広範囲の薄毛をカバーするためには、200万円以上の費用が必要になることもあります。これらの高額治療は、確かに大きな効果が期待できる一方で、経済的な負担も非常に大きいのが実情です。治療を受ける前には、本当に自分に必要な治療なのか、費用対効果は見合うのかを、医師と十分に相談し、納得した上で決断することが極めて重要です。