抜け毛予防と薄毛予防はこんなに違う

「育毛剤をずっと使ってきたけれど、最近あまり効果を感じられなくなった」「抜け毛予防のつもりが、気づけば薄毛が進行してしまった」そんな時、次のステップとして「発毛剤」への切り替えを検討するタイミングが訪れます。しかし、その見極めは非常に重要です。早すぎても、遅すぎても、効果的な対策とは言えません。では、具体的にどのようなサインが見られたら、切り替えを考えるべきなのでしょうか。まず、最も分かりやすいサインは、「薄毛の進行が止まらない」ことです。育毛剤を半年以上、用法・用量を守って正しく使用しているにもかかわらず、抜け毛の量が減らない、あるいは、つむじや生え際の地肌が以前よりも明らかに目立つようになってきた場合、それは育毛剤の「予防」という守備範囲を超え、進行性の脱毛症、特に男性型脱毛症（AGA）が始まっている可能性が高いことを示唆しています。AGAは、男性ホルモンの影響でヘアサイクルが乱れ、髪が成長しきる前に抜けてしまう進行性の疾患です。この場合、頭皮環境を整える育毛剤だけでは、その進行を食い止めることは困難です。新たな髪を生やし、ヘアサイクルを正常化させる働きを持つ、発毛剤（ミノキシジル）による「治療」が必要な段階に入ったと言えるでしょう。次に、「髪のボリュームが明らかに減少し、スタイリングが困難になった」時も、切り替えを考えるべきタイミングです。これは、髪一本一本が細くなる「軟毛化」が進行している証拠です。育毛剤は髪にハリやコシを与える効果も期待できますが、軟毛化が顕著に進んでいる場合は、より強力に毛母細胞を活性化させる発毛剤の方が、太く力強い髪を育てる上で効果的です。また、「医師からAGAの診断を受けた」場合は、迷わず発毛剤に切り替えるべきです。薄毛治療の専門医は、あなたの頭皮の状態を正確に診断し、最も適した治療法を提案してくれます。育毛剤でのケアは、あくまで健康な頭皮環境を維持するためのもの。薄毛が「悩み」から「病気」のフェーズへと移行したと感じた時、それが、守りの育”毛”から、攻めの発”毛”へと、戦略を切り替えるべきサインなのです。