鏡を見るたびに「自分のおでこはこんなに広かっただろうか」と不安になる男性は少なくありません。特にお風呂上がりや髪を上げた瞬間に露わになる額の面積を見て、これは生まれつきの骨格なのか、それともAGA(男性型脱毛症)による薄毛の進行なのかと疑心暗鬼になることは、多くの男性が通る道です。結論から言えば、おでこが広いこととハゲることはイコールではありません。生まれつき額が広い人もいれば、狭いけれど進行して広くなる人もいます。しかし、その境界線を見極めることは将来の対策を立てる上で極めて重要です。ここでは、医学的な視点とセルフチェックの観点から、その違いを明確にする方法を詳しく解説します。まず最も分かりやすい判断基準は、昔の写真との比較です。高校生や二十歳前後の頃の写真を取り出し、現在の自分と並べてみてください。もし、当時の生え際の位置と現在があまり変わっていないのであれば、それは単に「おでこが広い骨格」である可能性が高いです。しかし、明らかに生え際が後退していたり、M字の剃り込みが深くなっていたりする場合は、AGAの進行を疑うべきです。人間の顔は加齢とともに多少変化しますが、生え際の位置が数センチ単位で上がることは自然現象ではありません。また、眉毛を精一杯上に上げた時にできる一番上のシワと、現在の生え際の距離を測る方法もあります。一般的に、この距離が指一本分以上開いている場合、生え際が後退している可能性があると言われています。頭皮は顔の皮膚と繋がっているため、本来ならおでこの筋肉を動かせば生え際近くまでシワが寄るはずだからです。次に注目すべきは「生え際の髪質」です。ここが最も重要なポイントと言っても過言ではありません。健康な状態であれば、生え際の最前線にある髪も、後頭部の髪と同じように太くしっかりしています。しかし、AGAが進行している場合、生え際付近の髪が細く、短く、産毛のようになっていることが多く見られます。これはヘアサイクルが乱れ、髪が太く育つ前に抜け落ちてしまっている証拠(ミニチュア化現象)です。指で前髪をかき上げた時、太い毛の中に頼りない細い毛が多数混じっていたり、地肌が透けて見えたりする場合は、単におでこが広いのではなく、薄毛が進行している危険信号と捉えるべきです。また、生え際の頭皮の色もチェックしてください。健康な頭皮は青白い色をしていますが、赤っぽく炎症を起こしていたり、茶色く変色していたりする場合は、血行不良や紫外線ダメージ、あるいは皮脂の過剰分泌によるトラブルが起きている可能性があります。さらに、抜け毛の状態を確認することも有効です。シャンプー時や枕元に落ちた抜け毛を観察し、それが太くて長い髪であれば自然脱毛の範囲内かもしれませんが、細くて短い、毛根の膨らみが小さい毛が多い場合は要注意です。これは成長期が短縮され、十分に育つ前に抜けてしまった異常脱毛を示唆しています。おでこが広いこと自体は、知性的で男らしい魅力の一つになり得ます。