AGA治療は魔法ではありません。残念ながら、すべての人に劇的な発毛効果が現れるわけではないのです。一般的に、治療の効果を実感できるまでには早い人で3ヶ月、平均して6ヶ月程度の期間が必要とされています。しかし、毎日欠かさず薬を飲み、1年が経過してもなお、抜け毛が減らない、産毛も生えてこない、あるいは薄毛が進行していると感じられる場合、それは治療方針を見直すべき、あるいは治療に見切りをつけるべきタイミングに来ていると言えます。医学的な統計では、フィナステリドやデュタステリドを1年間服用すれば、9割以上の人で進行遅延や改善効果が見られるとされています。逆に言えば、1年続けて効果がない場合、その薬があなたの体質に合っていないか、あるいは薄毛の原因がAGAではない可能性が疑われます。例えば、甲状腺機能の異常や、膠原病、極度の栄養失調、あるいは円形脱毛症の亜種など、AGA以外の疾患が原因で脱毛が起きている場合、AGA治療薬をいくら飲んでも効果はありません。この場合、漫然と治療を続けることは時間と金の無駄であるばかりか、真の病気の発見を遅らせるリスクすらあります。効果がないと感じた時の「やめどき」の判断基準として、まずはセカンドオピニオンを求めることを強くおすすめします。現在通っているクリニックとは別の医師に診てもらい、診断が正しいか、処方内容が適切かを確認してもらうのです。場合によっては、薬の種類を変えたり(フィナステリドからデュタステリドへ)、メソセラピーなどの注入治療を併用したりすることで、壁を突破できることもあります。しかし、あらゆる手を尽くしても改善が見られない場合、「自分はノンレスポンダー(薬が効かない体質)である」という事実を受け入れ、治療を終了する勇気も必要です。効果が出ない治療に毎月お金を払い続けることは、精神衛生上も良くありません。「いつか生えるかも」という淡い期待にすがるよりも、その資金を高品質なカツラや植毛、あるいは全く別の趣味や自己投資に回した方が、人生の満足度は高まるかもしれません。AGA治療における「やめどき」とは、成功して満足した時だけではありません。努力が報われないと悟った時、損切りをして次のステップに進むこともまた、賢明な戦略なのです。1年という期間は、一つの大きな区切りです。そこで冷静に結果を評価し、撤退するか、戦術を変えるか決断してください。