毎日同じ髪型をしていること、特にお気に入りのポニーテールやお団子ヘア、きつめの編み込みなどを続けることが、知らず知らずのうちに側頭部の薄毛を引き起こしている可能性があります。これを医学的には「牽引性脱毛症」と呼び、髪が長時間にわたって一定方向に強く引っ張られ続けることで、毛根に負担がかかり、血流が悪化して髪が抜けてしまう症状です。側頭部や生え際は、髪を後ろでまとめる際に最も力が加わりやすい場所であるため、特にダメージを受けやすく、気づいた時には生え際が後退していたり、耳の上の髪が薄くなっていたりすることがあります。この脱毛症の怖いところは、痛みを感じにくいため進行に気づきにくい点と、長期間放置すると毛根自体が萎縮してしまい、二度と髪が生えてこなくなるリスクがある点です。対策は非常にシンプルで、髪を引っ張る原因を取り除くことです。毎日きつく結ぶのをやめ、シュシュやバナナクリップなどを使って緩めにまとめるようにしたり、結ぶ位置を高い位置、低い位置と日によって変えたりするだけでも負担は分散されます。また、帰宅したらすぐに髪をほどいて頭皮をマッサージし、血流を回復させてあげることも重要です。バレリーナやダンサーなど職業柄どうしても髪をまとめなければならない人は、分け目をこまめに変えたり、前髪やサイドの髪を少し残して緩みを持たせたりする工夫が必要です。おしゃれのためにしている髪型が、将来の髪を失う原因になってしまっては本末転倒ですので、頭皮への優しさを優先したヘアアレンジを楽しむ余裕を持つことが大切です。